ティーンエイジャーの頃から映画が大好きで、シネマ・ミュージックにも心を奪われていた平賀マリカの3年振りとなるオリジナル・アルバム『マンデルシーニ』は、アメリカを代表するふたりの偉大なる作曲家にスポットを当てた作品だ。
「同時代に大活躍をし、親交もあり、時にはライバルでもあったヘンリー・マンシーニとジョニー・マンデルに敬意を払いながら、ストーリー自体を引っ張っていくメロディ・パワーのある楽曲を選びました」
耳馴染みのある映画音楽もたっぷり収録しており、例えば、彼女が長年、愛して止まない『ひまわり』(ソフィア・ローレン主演)では、
「感極まって泣きそうになってしまいました。唄い終わった瞬間、倒れそうになるほど気持ちが入り込んだ、まさに入魂の1曲です」
室内楽編成だけにクラシカルなサウンド。その調べに乗って恋の切なさや情熱、哀しみといった心象風景を唄う平賀は、曲ごと演じわける言わばアクトレス。
「本来、江戸っ子チャキチャキの私ですが、今回はちょっとエレガントな面を出せたかな(笑)。とはいえ、タンゴのリズムがポイントになっている曲もあり、メリハリの効いた流れに仕上がったと感じています」
かつて、ライヴ用に平賀自らが編曲した《シャレード》以外は井上陽介(b)がアレンジを手掛けている。
「インターナショナルな感覚をお持ちで、アレンジャーとしての実績もある音楽家、しかも、こちらの意見をきちんと受け止めてくださる人間性にも惹かれ、お願いしました。今回は国内でのレコーディングということもあって、井上さんを含め、参加ミュージシャンの堀秀彰(p)さん、田辺充邦(g)さん、太田朱美(fl)さんともしっかりコンセンサスを取りながらアルバム作りが出来たのも良かったですね」
以前から、レコーディング中は幸せホルモンが出まくるという彼女、どうやら今回も大放出だったようだ。
そしてもう1枚。2007年にリリースしたマンハッタン・ジャズ・クインテットとの共演アルバムをリマスタリングし、“アルバム発売記念ライヴ”での未発表曲も3曲プラスした『クロース・トゥ・バカラックスペシャル・エディション』も同時リリースとなる。
「今、思い返しても高揚感のあるライヴでしたので、あの歌声を改めて聴いて頂けるのはとても嬉しいです」
バカラックで魅せたあの日の彼女、そしてマンシーニ&マンデルで聴かせる新たな彼女。いずれも、リスナーの生活に溶け込む音楽を届けたいという想いが込められている。
LIVE INFOMATION
平賀マリカ「マンデルシーニ」レコ発ライブツアー
○4/27(月) 銀座 スイング
○5/4(月・祝) 大分 カンタループII
○5/6(水・休) 佐賀 シネマテイク
○5/7(木) 福岡 ニューコンボ
○5/13(水) 名古屋 ジャルダンドゥビジュー
○5/14(木) 大阪 ミスターケリーズ
○5/15(金) 静岡 ライフタイム
○5/27(水) 横浜 バーバーバー
○5/28(木) お茶の水 ナル
○6/24(水) 渋谷 JZブラッド(ツアーファイナル)