94年創刊のフリー・マガジンに端を発するユース・カルチャーの複合メディア〈Vice〉が、2002年に始めたヴァイス・レコーズ。同レーベルから立て続けに話題のニュー・アルバムが登場したので紹介したい。
まずはガレージ・ロック界で頭一つ抜けた人気を誇るアトランタの4人組、ブラック・リップスの『Underneath The Rainbow』。2011年の前作『Arabia Mountain』ではマーク・ロンソンと組んで世間を驚かせた彼らだが、ここではブラック・キーズのパトリック・カーニーをプロデューサーに迎え、正調ガレージに回帰。南部のバンドらしいレイドバックした空気とボンクラぶりがクセになる。
そして、レッチリのアンソニーがバンド・ロゴのデカデカと入ったキャップを愛用していることでも知られる(!?)オフ!。ブラック・フラッグやサークル・ジャークスで名を馳せたキース・モリス率いるこの4人組は、今回の2作目『Wasted Years』でも時代に流されることなく、王道ハードコアを追求している。レイモンド・ペティボンによるアートワークを含め、パンク好きならずとも一家に1枚のマスト盤だ!