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【BO NINGENの人生一度きり】第25回 5月病―Taigenが綴るロンドンでのヘッドライン・ショウ、バグら盟友のライヴ観戦記

まずは原稿入稿が大幅に遅くなってしまった事をお詫び申し上げます。
ベース/ヴォーカルのTaigen Kawabeです。
日本の皆様はゴールデンウィーク明けでしょうか?
5月病などという、季節病にやられている方もいるかと思います。
かくいう私も、 新しい職場や学校などとはほど遠い生活ながら、タイプの違う5月病にやられそうになっておりました。

BO NINGENとしては2月頭に日本からロンドンに戻ってきまして、曲作りを主として活動しています。去年はロンドン拠点といいながらも、ツアー漬けの結果、計4か月ぐらいしかロンドンの自宅にいなかったんじゃないかというほどツアーやらライヴやらフェスティヴァルやらに塗れておりましたので、頻繁にロンドンのスタジオで曲を詰めてゆく、という作業は久しぶり。

そんなタイミングで、僕たちが使用しているロンドンの練習スタジオや環境について某雑誌の取材を受けたのですが、なんと取材翌日にその練習スタジオが閉鎖されるというアクシデントが。

 

在りし日のAudio Underground Studio

 

練習終わりにこうやって外でのんびりと話せる素敵な場所だったのですが、恐らく最近引っ越してきたであろう近隣住民からの苦情によりあえなく閉鎖。嗚呼、無情。

気を取り直して、BO NINGENとして時系列を頑張って整理してみましょう。
まずは3月末に2夜連続でロンドンのHeadline Show。
日本ツアー後、1月末にオーストラリアで行ったライヴ以来実に2か月ぶりのステージ。

 

 

前座で演奏してくれた Grimm Grimm。BO NINGENと5人でも1曲演奏。
こちらで一緒に演奏した、教会録音Ver.が聴けます。

 

 

前回の日本ツアーの際、マネージャーから頂いたスタインバーガー(Hohner製)が最近のメイン・ベースに。音色が違うと出てくるベースラインも違うので、とってもインスパイアリングです。そして軽い。

意外な事にみんな好意的なので、ルックスや音に関するアンチ意見も随時受け付けております。来たれヘイター。

 

 最後の曲ではベースを始めた15歳から使い続けているジャズベ本妻を。浮気してごめんなさい。

 

photo by Wunmi Onibudo

 

photo by Paul Hudson

 

この日のMCでも語った事なのですが、ライヴをしばらくやらないと心の不純物といいますか、何かが溜まってしまうようで、心身共にとても良くないのです。なのでこの日はいつも以上に浄化といいますか、デトックスを行っているような感覚でありました。 実際ライヴをする事で、自分にとって良い影響を与えていると信じております。

人に観られる機会は若さも保つ秘訣といいますし……という事で、 顔で年齢と性別を判断してくれる、最近話題のhow-old.netを試してみる事に。

 

 

ありがたい事にこの写真撮影時より5歳ほど若く判定して頂けましたが、性別が見事に間違ってますね。

 

 

なぜかBO NINGENの集合写真で試してみると、ことごとくMon-chanしか顔が認識されないのです(実年齢よりちょっぴり上ですね、髭でしょうか)。

2日連続のライヴで若返ったわれわれは、その数日後にベルギーへ。

 

 

注目すべきは僕のペダル・ボード。ではなく、その先のこうへい君と話している金髪ロン毛のJacob。今回はMon-chanのフラットメイトでもある彼の運転にて来白したのですが、彼が国境沿いの電車に車で乗り込む際にパスポートを忘れた事に気付くアクシデント。往復3時間かけてロンドンの自宅まで取りに行き、結局ライヴの1時間前に会場到着。間に合って良かった。

ライヴ後、メンバーを見送り私はベルギーに1泊。翌日電車を乗り継ぎブルッセル空港へ、そしてベルリン入り。

 

ベルリンの空港にて、懺悔室か何かのサインでしょうか。

 

今回のベルリンの目的は懺悔ではなく、 相当前の記事で紹介した、マウス・オン・マーズヤン・ヴェルナーのプロジェクト=MISCONTINUUMのライヴにてヴォーカルを務めるため。

 

会場の Volksbuhne。外観もホールも、素晴らしすぎる会場でした。
訳すと〈人々のシアター〉という意味なのだそうです。

 

ポスター。ここの会場で行なわれる講演は全てこのフォントで統一されるというこだわりよう。
ドイツのそういうところ好きです

 

会場のご飯。〈Theドイツの飯〉といった趣のお肉とお芋 。飲み物は筆者の大好物である〈Club-Mate〉。
マテ茶のソーダ……と説明すると微妙ですが、大変健康的なエナジー・ドリンク。
味も慣れると癖になっておいしいです。
お薬も深酒もあまり嗜まない筆者のベルリン・ナイト・アウトの強い味方

 

ベルリン公演はまだ映像化されていないので、2月に行なわれたロンドン公演の模様を。

 

演奏翌日、韓国料理屋にてキャシー(ドラム・アイズ)とJan。と犬のボビー

 

今回のベルリンは1泊しか滞在できませんでしたが、久しぶりに観光地的なところが集まる中心地、Alexander platzのホテルに泊めて頂いたため、久しぶりに中心/観光地を少し歩く事もできました。中心地であっても、場所的にも人的にもスペースを感じさせる好きな街です。

 

会場が用意してくれたホテル。入り口の回転ドアに仏陀がいたり、
トイレとシャワーが熱湯コマーシャルを彷彿とさせるスケスケ具合で焦りましたが、
とても良いホテルでした

 

ゆうめいなたてもの1

 

ゆうめいなたてもの2とベルリン・タワー

 

ここの階段の上にあるお店にて、セールになっていた実験系の8cmCDを4枚購入。
しかしながらリスニング環境の問題により、未だ聴けておりません

 

そんなこんなでベルギー/ベルリンを1泊ずつながら堪能した後、再びロンドンでストイックな曲作りの日々……。
なのですが、4月はいろいろなアーティストがツアーで渡英する時期でもありまして、久しぶりの再会も多く、嬉しい月でもありました。

まずはキング・ミダス・サウンドでサポート・ヴォーカルを務めた仲であるバグがロンドンのKoKoにてライヴということで遊びに。
前座のチャンネル・ワン・サウンド・システムから低音爆発の兆候はあったのですが、バグが始まった瞬間、中域と高域の周波数まで全てフルオンに。そして最高のタイミングで低音の質量が一線を超えた。とにかくヤバかった、なんとも表しにくいが、クラブというより異国の祭りに放り込まれて、低音をとにかくブーストしたような感覚。とにかくヤバかった。一緒に観に行ったこうへい君は低音頭痛を発症。

【参考動画】バグの2014年作『Angels & Devils』収録曲“Function”

 

バグの後はマーラのDJ。ここではUK伝統芸能ダブステップといった趣の渋さ溢れるセット。カラフルな中域が押し出されたUSのブロステップ(?)の方々と比べて、強調する周波数もさる事ながら、UK勢は目指す宇宙の周波数が違う気がするのです。

【参考音源】マーラの2007年のシングル“Changes”

 

そして最後にミュータント不良fromマンチェスター、ダブ・フィジクス・アンド・ストラテジー。基本ドラムンベースなのですが、グライムとかダンスホールとか縦横無尽感が半端なく格好良かった。

【参考動画】ダブ・フィジクス・アンド・ストラテジーの2014年のシングル“Buffalo Charge”

 

コメント欄で視聴者がジャンルについて喧嘩してるのが微笑ましいですね。

終演後、ケヴィン(バグ)とも久しぶりにゆっくりと談話。キング・ミダス・サウンドもKiki Hitomiさんが産休から復帰して本格的に動いてるとのことで楽しみ。そして ダブ・フィジクスが高校の同級生、DJ kokorochikuma)を知っているという世界の狭さよ。

そして1週間後、こちらはかなりお久しぶり、イタリアはトリノからステアリカが来英。10年ほど前、僕がロンドンに来たばかりの時に通っていた音楽学校のクラスメイトがドラムを叩いているバンド。当時、筆者は彼と一緒にバンドをやっており、久しぶりの再会はもちろんの事、彼のドラムを体感できたのが刺激的であり、とにかく嬉しかった。

【参考動画】ステアリカの2015年作『Fertile』収録曲“Delta”


彼は僕の音楽学校の一番の親友だったけど、一番好きなドラマーでもあった。「お前が僕のFavorite Drummerだから、お前がイタリアに帰ってから低音クラブ・ミュージックばっかり聴いてる。イギリスのバンドのドラマーじゃ満足できん」と冗談まじりで(あながちイギリスのドラマーのくだりは冗談ではないのだが)伝えると、めっちゃ笑ってた。
そして僕はその余韻のまま、1時間かけて家まで歩いて帰った。

お次はなんと日本人ユニット、MOJAとの再会。しかも〈Wrexham〉というウェールズの辺境の街でのフェスティヴァルで、である。彼らとは日本でも少なくとも3、4回は対バンしているが、もともとの出会いはロンドンでの対バン。今回は同日に自分たちも演奏するとあって、久々の再会に無様なところは見せられぬと自分たちのライヴにも気合いが入る。演奏後、MOJAのステージを観にアフター・パーティー会場へ向かうと、ライヴ前からお客さんの期待度が物凄い。それもそのはず、過去2回、同フェスに招聘されているとのことで、その2回でお客さんの信頼をすでに勝ち取っていたのだ。ライヴはもちろん、アンコールまで起こる大盛り上がり。やはり、ライヴ力のあるバンドは海外でも強い。日本の皆様も、彼らが海外でもっともっとブレイクする前に日本国内で観てみてはいかがでしょうか。

【参考動画】MOJA“Hello”の2007年のライヴ映像

 

メンバー全員で

 

さて時は流れて執筆現在、朝の7時。
実は1時間後にロンドンを出発し、アメリカに向かいます。
TVオン・ザ・レディオというバンドのサポートで、カナダを含む3週間のアメリカ・ツアーに行って参ります。

【参考動画】TVオン・ザ・レディオの2014年作『Seeds』収録曲“Happy Idiot”

 

ツアー前日はいつも、休暇明けの登校日のような不安と期待が入り乱れます。
つまり、始まるまでは心配だけど始まってしまえば過酷であるものの、楽しいのです。

前回以上の爪痕をアメリカに残せるように、気合いを入れて行って参ります。
自分の5月病解消の為にも。

 

寝室の窓から

 

PROFILE/BO NINGEN


Taigen Kawabe(ヴォーカル/ベース)、Kohhei Matsuda(ギター)、Yuki Tsujii(ギター)、Akihide Monna(ドラムス)から成る4人組。2006年、ロンドンのアートスクールに通っていたメンバーによって結成。2009年にアナログ/配信で発表した 『Koroshitai Kimochi EP』が現地で話題となり、UKツアーのみならず、日本盤の発表後は日本でのツアーも成功させる。2011年にミニ・アルバム『Henkan EP』、2枚目のフル・アルバム『Line The Wall』をリリース。〈フジロック〉やオーストラリアの〈Big Day Out〉、USの〈SXSW〉〈コーチェラ〉といった各国の大型フェスへ出演し、ますます注目を集めるなか、2014年に最新作『III』をドロップ。さらに、37分に及ぶ大曲となる盟友サヴェージズとの共作シングル“Words To The Blind”(Stolen/Pop Noir)をリリースしている。現在、TVオン・ザ・レディオのツアー・サポートでUSをツアー中! そのほか最新情報はこちらへ!

【参考動画】BO NINGENの2014年作『III』収録曲“CC”
40周年 プレイリスト
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