15年ぶりに誰が帰ってきたって? こっちは20年待ってたぜ! ストリートギアに身を包んだ4人のエモーショナルでソウルフルなヴォーカリゼーションは、表通りのカラフルな景色をナスティーな漆黒へと塗り替え、R&Bの新しい扉を開いた。革新者たちのエモーショナルなホットラインが結ばれて、世紀を跨いだスロウ・ジャムが鳴り響いたら、まるでジョデシィが帰ってきたみたいに叫べばいい。だから言っただろう、過去も現在も未来も永遠に愛し続けると……

 

 

 95年に『The Show, The After Party, The Hotel』を出したきり、ホテルにしけこんだまま出てくることがなかったジョデシィ――とんだ放蕩野郎たち、だったのか? 過日ディアンジェロが約15年ぶりに新作を発表して世を騒がせたが、ジョデシィはディアンジェロのデビューと入れ替わるように、この20年近くグループとして表舞台から姿を消していた。途中、新作発表がアナウンスされたり、DJクイックのアルバムへの登場などはあったものの、結局ジョデシィでの作品は出ず。彼らの元・後見人アンドレ・ハレルが送り出したアトランタの4人組、ハミルトン・パークがデビューEP(2011年)のジャケットでジョデシィの『Forever My Lady』にオマージュを捧げていたのを見た際には、もう彼らは過去の偉人として崇められるだけの存在で終わってしまうのか?と、そんな気持ちにもさせられたものだ。

 が、彼らは帰ってきた。過去だけじゃない、いま、そして未来だってあるとでも言いたげな新作『The Past, The Present, The Future』で。しかもアルバムを聴いてみれば、グループとしての休止期間などなかったかのように涼しい顔で熱い咆哮を放っている。まるで90年代からタイムスリップしてきたかのように。 

JODECI The Past, The Present, The Future Sphinx/Epic/ソニー(2015)