DISCOGRAPHIC JODECIDAL
ジョデシィを知るための7枚
冒頭から怒濤のスロウ攻めに徹した濃密な作りで、結果的に90年代のトレンドに先鞭を付けることとなった初作。アルB・シュア!の援護を得たそんな前半に対し、ガイやベル・ビヴ・デヴォー風のニュー・ジャックなアップでバリバリ踊る後半はこの時代ならではの若気の至りが瑞々しい。衣装のスタイリングはパフ・ダディが担当。
冒頭のドラマティックな泣き節“My Heart Belongs To U”やザッピーな“Feenin'”などスロウを畳み掛ける構成は踏襲しつつ、容赦なく熱情を弾けさせるリードと重厚なトラックの一体感は前作を凌ぐ。レッドマンやミッシー・エリオットらのラップを配したファンク路線も猥雑なイケイケぶりを伝える、充実の2作目!
モテるヤバい連中というパブリック・イメージを投影したコンセプチュアルな3作目にして、ディヴァンテの異様なカリスマ性と当時の混沌を反映した大傑作。妖美なG作法と後にティンバランドが世に問うビートの原型が入り交じる音像はいまもって刺激的だ。軽快な“Get On Up”などダルヴィンの手腕も光る。
母親にも聴かせられる内容を心掛けたという兄弟デュオでの初作は、本隊への操を立ててボーイズIIメン的なロマンティシズムに転じた一枚。裏方としての資質を開花させたジョジョの“All My Life”が全米1位を記録するなど、ジョデシィ以上のクロスオーヴァーな支持を獲得した。ディヴァンテも“Still Waiting”に参加。
自身の見い出したスティーヴィーJやティム&ボブ、兄ディヴァンテらの助力を得てセルフ・プロデュースに臨んだ、ダルヴィンのソロ・デビュー作。ジョデシィに近い歌世界に乗せて〈四番手〉視に異議を唱え、ビート面ではティンバランドへの負けん気も垣間見せるのが逞しい。デフ・レパードのカヴァーも。
本隊のデビューから10年という節目を表題に刻んだサード・アルバム。ディヴァンテ仕事と比較したいティンバランドとの再会曲を交え、テディ・ライリー製の“Wanna Do You Right”などではデュオとしての円熟もアピール。ジョデシィ名義の隠しトラック“Slip And Fall”では4人がゴツゴツした持ち味を見せる。
間の日本企画カヴァー集を除けば、実に11年ぶりとなった5作目。引きの美学で洒脱に聴かせる先行シングル“Knock It Off”をはじめ、派手さはないもののアダルトな抑制を纏った作りが好ましい。華のあるK-Ciの堅調な存在感が全体を牽引し、オールド・ソウル風味の“Somebody Please”における枯れ具合も良し。