BLOOD OF SOUL
ジョデシィの濃厚な魅力を裏付ける、血族のバックグラウンド
ジョデシィは、歌が濃ければ血筋も濃い。なにしろK-Ciとジョジョのヘイリー兄弟のおじたちは、ノースキャロライナのローカル・シーンを賑わし、インヴィクタスからカルトなノーザン・ソウル名盤『Livin' High Off The Goodness Of Your Love』(73年)を出していたバリノ・ブラザーズなのだ(ジャケの構図も『Forever My Lady』風?)。骨太でディープなヴォーカルはK-Ciにそっくり受け継がれたと言っていい。
そして、そんなバリノ兄弟の末弟ジョー(グループには不参加)の娘、つまりヘイリー兄弟の従姉妹にあたるのが、あのファンテイジア(・バリノ)。「アメリカン・アイドル」出演前にバリノ・ファミリー名義のゴスペル盤で歌ってもいた彼女は、ソロ・デビュー後の“Hood Boy”などでのシャウトを交えた激唱を聴いてもわかるように、K-Ciの女性版的な凄みがある。また彼女の弟は、T.I.のグランド・ハッスルに所属したシンガー/ソングライターのリコ・バリノ。そのバリノ姉弟とヘイリー兄弟に近い血縁とされるのがデイヴ・ホリスターで、さらに、デビュー作にK-Ciを招いたカルヴァン・リチャードソン(こちらで触れたK-Ciのゴスペル・グループにも参加)も従兄弟だという。共にタフで濃厚な歌声の持ち主というあたりに血筋が感じられる。
一方、デグレイト兄弟の父は、ドン・デグレイト・デレゲイションというゴスペル・グループでナッシュボロやマーなどからモダンな作品を出していたシンガー/牧師。名義を少し変えた84年のアルバムには若き日のディヴァンテも参加していたようだ。また、もうひとりの兄弟デレクもゴスペル・シンガー。そんなソウルフルな環境がジョデシィを育んだのだ。