軽快にリスタートを謳うニュー・シングル!

GALETTe*での卒業までの出来事、その間のソロ活動での思いなどが、自然に頭に浮かびました。これからのソロとしての夢への実現、希望を考えていると、素直に表現できたような気がします」。 

保坂朱乃 一度きりのReset ITR(2015)

  ニュー・シングル“一度きりのReset”をレコーディングした際の思いについて、そう語る保坂朱乃。ソロ活動と兼任する形で2013年夏の結成時から参加し、地元・福岡での活動を選んで今年頭に卒業するまで続いたグループでの日々は、彼女の名を広く世に知らしめると同時に、彼女自身が自分の歌に改めて向き合うきっかけを与えたのではないでしょうか。もちろん、アイドル激戦区と呼ばれる地において、数少ないソロ・シンガーとして真摯に歌を届けてきた短くない歩みが彼女にはあります。子役としてミュージカルなどで実績を残しつつも歌の道へ進んだ朱乃は、処女作にあたるミニ・アルバム『WHITE』を14歳になったばかりの2011年冬にリリース。当時のことを本人はこう述懐しています。

「『WHITE』の時は、歌うことだけで精一杯で、MCなども上手く話すことができず、セリフのように覚えて話していました。でもいまは、思ったことを自然に話すことができるようになったし、歌い方や伝え方も、素直にできているかな?と思います」。

 そんな成長は重ねてきた楽曲からも明らか。よく考えると今年は歌手デビュー5年目にあたるわけで、サード・シングル“空をかける少女”から約1年ぶりとなる今回のリリースは、そういう意味においてこそ節目の作品と言えるのかもしれません。

 前作から続投となる名匠・筑田浩志がすべての作/編曲を担当。彼女を後見するITR代表の吉田格がいつも通り手掛けた歌詞は、まぶたを開いて夢の舞台へ一歩進む姿を描いた内容で、改めてソロに専念してがんばるキリッとした決意を投影したもの。「歌詞では私の強い部分も見せています」というType-A盤のカップリング“近くて遠い100センチ”も含めて実にメロディアスで、エレガントに疾走するアレンジも爽快な佳曲に仕上がっています!

 一方、Type-B盤のカップリング“glory days”では久々に朱乃自身が作詞を担当。「朝練をがんばっているソフトボール部の友達へ向けた応援歌です。高校1年生の時に書いたので、青春もテーマになっています」と、こちらはひときわグッとくる出来映えで……つまり今回もバッチリってこと!

 西野カナ浜崎あゆみのような憧れの存在を目標に、「歌は私という存在のすべてです。私が保坂朱乃として成立するのは歌があるからこそです」と言い切る彼女。その力強い前途を祝福しましょう!