DILLATROIT SOUNDS
スラム・ヴィレッジとフランク・ニットの新作!
今年のJ・ディラの命日にロバート・グラスパーが公開した“Dillalude 3”にて、イントロに〈お墨付き〉を寄せていたT3だが、彼が唯一のオリジナル構成員として率いるスラム・ヴィレッジも、偉大な故人の影響から逃れることは難しそうだ。
2年ぶりに届いたグループの新作『Yes』はヤングRJのビートを中心とする現トリオ体制での2作目ながら、ディラの母親から戻された94~95年のデモを骨子にした曲もあるとのことで、ビラルを招いた冒頭の“Love Is”からして馴染みのあるフックが響いてくる。BJ・ザ・シカゴ・キッドやジョン・コナーのような新進ともグッドな絡みを見せているだけに、RJやイラJが主導した前向きな路線にもさらに期待したくなるところだ。
で、そのイラJとヤンシー・ボーイズを組むフランク・ニットも『Frankie Rothstein』を発表した。ここでも恒例のディラ・ビーツは味わい深いが、現スラム・ヴィレッジの3名が手掛けた“Money On My Mind”も良し。JロックやレットマティックらによるLAマナーのドープなカッコ良さも聴きどころとなるだろう。