THE ポッシボーの開く〈第3章〉は……衝撃の改名!!

 今年に入って、4月から全国11か所を巡る春のツアーを敢行したばかりのTHE ポッシボーが、レーベル移籍と時を同じくして〈チャオ ベッラ チンクエッティ〉へと改名! 何かと紆余曲折の多い彼女たちらしいビックリの展開ではありますが、そういえば前回bounceに登場していただいた2013年の4月は、低迷を乗り越えてふたたびギラギラしはじめた〈第2章〉のスタート時期でもありました。

諸塚香奈実(もろりん/89年11月1日生)「〈第2章〉は、V字の底のほうから這い上がってきた時期でしたし、バックが生バンドになったりとか、セットリストをみんなで話し合って決めたりとか、ライヴに対しての方針や考え方が変わった時期でした」

橋本愛奈(はしもん/92年10月3日生)「上に這い上がろうとすごくもがいてた。慣れないことだったけど、この5人で話し合って何かを発信していこうっていうこともすごく考えた時期で」

秋山ゆりか(あっきゃん/92年10月19日生)「2年間シングルを出せなくて、そこから〈第2章〉が始まって、私たちのためにたくさん動いてくれている周りの方がいることもわかったし、作品をリリースできることのありがたみも改めて感じられるようになりました」

後藤夕貴(ごとぅー/93年6月12日生)「〈第2章〉では他のいろんなアイドル・グループの方と触れ合うことが多くなったと思っていて。このグループにはこういう武器があるんだなとか、じゃあ自分たちはこういうアプローチでいこうかとか、この5人にしか出せないものを探していた時期でもありますね」

岡田ロビン翔子(リーダー/ロビン/93年3月15日生)「ワタシ的にはとにかくがむしゃらに煽ってたなって(笑)。初めて単独ライヴをやった頃(2008年)は、ステージでもPVを見せる感覚というか、フリも揃えて全部CD通りに歌うっていうイメージだったんですけど、第2章になってからは、それを崩さなきゃ、型を壊していかなきゃって格闘していた時期でしたね」

チャオ ベッラ チンクエッティ 表参道/二子玉川/Never Never Give Up PICCOLO TOWN(2015)

 そんな実りの多かった〈第2章〉も、昨年秋のアルバム『1116』リリースと中野サンプラザ単独公演をハイライトに完結。そして、このたび初のトリプルA面シングルとなる『表参道/二子玉川/Never Never Give Up』を引っ提げて新章の幕を開ける!……というところで、まずは“表参道”。この曲はフレンチ・ポップスのスタンダードとして知られる〈オー・シャンゼリゼ〉のカヴァーで、〈オー・モッテサンドー♪〉の歌い出しも楽しい日本語詞を書いたのはKAN(彼自身のヴァージョンはシングル“桜ナイトフィーバー”に収録)。三声のコーラスも聴かせどころだ。

ロビン「街のどこかで流れててもフッと耳を惹くだろうし、〈知ってる曲だけど何か女の子が歌ってる、誰だろう?〉って興味を持っていただけたらいいですね。あとは……こんなに可愛い曲をやるのってすごく久しぶり(笑)」

後藤「先日のツアー・ファイナルだった五反田のステージで披露した時は、みんなハッピーな気持ちになれて。ハモリはアコースティック・ライヴとかで少しやったことがあるんですけど、三声のハモリは初めてで、ハモリ好きとしては楽しかったです!」

 一転して“二子玉川”は、彼女たちにとって意外にも初となるラヴ・バラード。かつて愛と青春を育んだ街に降り、遠い記憶に想いを馳せる――歌声の向こう側に浮かぶメンバーの表情が、いつにも増して愛おしい。

諸塚「家族や友情をテーマにしたバラードはあったんですけど、こうやって恋愛のバラードを歌うのは、9年もやってきて……ですね(笑)」

秋山「歌いながら主人公になりきって、二子玉川の街を歩いてる気持ちで浸っちゃってます」

橋本「2015年の私たちが歌うのと、何年か経ってからの私たちが歌うのとではすごく変わっていく、深みが増していきそうな曲ですね」

 そして3曲目は、スリリングに弾かれるピアノと流麗なストリングスを交えた和田俊輔の作編曲によるロック・ナンバー“Never Never Give Up”。こちらの歌詞を書き下ろしたのは、2010年秋の両A面シングル『私の魅力/LOVE2パラダイス』以来の関与となる、つんく!

後藤「つんくさんが作詞だよって聞いた時は、〈つんくさん、私たちのこと覚えててくれたんだ〉って(笑)」

秋山「今回の曲は、いまの私たちに向けてつんくさんの目線で書いてくださってるっていうのがすごく伝わってきて、〈Never〉が2つ続いてるタイトルからして、〈オマエら諦めんなよ、がんばれよ〉って背中を押されてる気持ちになりますね」

橋本「私たち、しぶとさでは負けないですから(笑)」

ロビン「3つとも違う色の楽曲なので、いろんなきっかけから改めてグループのことを知ってもらえるチャンスかなって思います!」

 ということで、衝撃の改名と共にヴァラエティー豊かな楽曲で景気良く始まった〈第3章〉。この先にはもう、これまで見たことないような場面を期待しちゃってもイイんですよね?

諸塚「まずは今回のシングルで自己最高のオリコン3位を獲る。移籍第1弾シングルなので……そろそろ事務所にも貢献したいですし(笑)」

秋山「やっぱりライヴはいちばん大事にしていきたいので、動員数もコツコツと上げていって、Zeppツアーとかできるようになりたいです」

橋本「今年の夏で10年目がスタートするので、来年の10周年を迎えるまでには武道館に立てたらいいですね。中野サンプラザは惜しいところで先を越されちゃったので、今度こそアプガよりも先に(笑)!」

後藤「10周年までには、お茶の間の人にも浸透しているぐらい売れて、TVでも頻繁に観られるようになりたいですね」

ロビン「〈紅白に出たい〉とかそういう夢もないわけではないですけど……リアルな話で言えば、この先もずっと大好きな音楽を続けていきたいし、定期的にホールでのコンサートができるようなグループでありたいなと思ってます。これだけいろんなことを経験しているアイドル・グループはなかなかいないと思うし、私たちだからこそ歌えるような曲ももっとあると思うので、これからも大切に歌を届けていきたいですね」