モーグ博士がシンセサイザー〈モジュラー・システム〉を生んで50年という節目を迎えた今年。かつてはUSポスト・パンクの名プロデューサーとして名を馳せたクレイグ・レオンが、モーグの新旧機材を用いてバッハ作品を蘇らせるという企画が登場。『スイッチト・オン・バッハ』へのオマージュでもある本作だが、クレイグが奏でるモーグのめくるめく旋律と共に、共演したオーケストラやヴァイオリニストの調べも生き生きとし、2015年の音へとアップデートされている。演奏される楽曲も《トッカータとフーガ ニ短調》《G線上のアリア》など日常耳にする機会の多いものが選ばれ、その接しやすさも大きな魅力だ。