2007年録音。「バッハ meets ジルバーマン・ピアノ」と同じく深町研太氏制作のジルバーマン・ピアノを使用。ジルバーマンとバッハは同時代を生きており、交流もあったとされている。ジルバーマン・ピアノの豊かな表現力がパルティータの深遠な世界を表現するのにこの上なく適しているように思える。チェンバロ・レジスターが装備されているので、チェンバロ音色での演奏が可能で、当盤でも効果的に用いられている。充実の解説文も特筆すべきで、楽譜の裏に秘められたバッハの宗教的メッセージを敏感に読み取る武久氏の奥深い洞察力が演奏にも滲み出ている。

【参考動画】武久源造によるバッハ〈シャコンヌ〉の演奏