日本の長谷川和彦、西洋のビクトル・エリセ、共通して言えることは、寡作な監督ということ。約40年で長編映画2本の長谷川、同じく長編3本のエリセ、残した作品のもつ評価の高さは周知の事実。そして、誰よりも新作を待ち望まれてると言っても過言ではない。ビクトル・エリセが1973年に発表した長編処女作が初のBlu-rayとなる。オリジナル・ネガの保存状態もあるのか、シーンによって若干の画質の優劣はあるものの、エリセ本人が監修とあって、本作の雰囲気を壊すことのない素晴らしい完成度。劇中のスコア(サントラいまだ未発売)にも厚みが増し、監督が望む最良の鑑賞条件が整った。