主人公、マークはロサンゼルス・オリンピックのレスリング金メダリスト。兄への愛と嫉妬に、苦悩しながらも、日々鍛錬に打ち込む。そんな彼が出会ったのは、大富豪のデュポン。彼にも、母という存在がいつも立ちはだかり、愛憎に悩まされていた。互いの傷を埋め合うように、急激に距離が縮まる二人だが、デュポンは狂気さを徐々に開放し、マークは翻弄され、最後には、一番のコンプレックスである兄デイヴを二人の禁断の園に呼び込んでしまう。主人公マークの物静かな表情をそのまま表現した空白の映像とピアノのみで弾き語られる物語は、次第にショッキングな出来事へと誘われていく。