ミュージック・マガジン〈ベスト・アルバム 2014〉で高橋健太郎氏が選出し、大反響だったベルギー出身のシンガーソングライター、アントワーヌ・ロワイエと共に「LE SAULE」というレーベルを創立したメンバーの一人であるフィリップ・クラブの5作目。独創的なギターと現代音楽作曲法を含んだハーモニーや不協和音、言いたいことを全て空中に散布させたかのような、喜怒哀楽を含む言葉の数々。ゆるやかに展開しつつも、クライマックスでは怒りや嗚咽が入り混じり狂乱のままに終わりを告げる《Le Pont》を聴けば、その刺激的な音世界への冒険心に火がつくことでしょう。