手仕事で丁寧に装丁された作品は、低価格で大量生産されたモノとは違う雰囲気を纏っている。手にして触れ、そして耳だけでなく体躯全体で感じ、聴く。大切に紡がれた音楽は、時流に惑わされることなくいつまでもその輝きを放ち続ける。ふたりが奏でる音楽は実に素朴であり、ごちゃごちゃと取り繕われた装飾は必要としていない。彼らが出会って初めて行ったセッションの記録『三月十六日』が特典CDとして本作との2枚組仕様になっており、DUOとしてのはじまり、そしてまだ彼らの音楽が旅の道中であることを教えてくれる。日々にそっと寄り添うように優しく奏でられるアコースティック・アンビエントの名作。