雲助師による11枚目の朝日名人会ライヴシリーズ。この季節に聴きたくなる、冬のネタの代表「鰍沢」と有崎勉作「ラーメン屋」をもとにした「夜鷹そば屋」を収録しています。現代において円朝噺を聴くならまず雲助師匠でしょう。寒々とした雪の情景が目の前にありありと広がり、寒さすら感じる「鰍沢」。クライマックスの緊迫感に思わず息を呑みます。そして、ラストは下座も加わった師匠ならではの演出も聴きどころです。もう一席の「夜鷹そば屋」は師匠が得意とする人情噺。そば屋の老夫婦とある男が紡ぐ、身も心もほっこりと温かくなる一夜の小さな物語です。