選曲、演奏、録音とも飛びきりの1枚だ。2010年に36年ぶりに来日し、その圧倒的なテクニックと豊かな音色、洗練された音楽性で聴衆を魅了したワレフスカの2014年最新録音。注目は17曲中6曲を占めるボロニーニ作品である。彼はトスカニーニカザルスから絶賛された天才チェリストだったが、秘技を盗まれるのを恐れて自作を楽譜出版せず、弟子のワレフスカだけに演奏を許した。何れもチェロという楽器の持ち味を存分に発揮させた、メロディも美しい傑作揃いだ。バロックから現代まで幅広く選ばれた残りの11曲でも、ゆとりある技巧と朗々としたカンタービレを駆使して味わい深い演奏を聴かせてくれる。

※試聴はこちら

クリスティーヌ・ワレフスカのパフォーマンス映像