アジアのインディー・シーンがここ数年ずっとおもしろい! 今回はそのなかでも、個人的に大好きな3組の新音源が続々と公開されたので、そちらを紹介したい。
まずは、台湾の落日飛車(サンセット・ローラーコースター)。2011年に〈サマソニ〉への出演も果たした5人組が、3曲入りEP『Jinji Kikko』をリリース。YouTubeで全曲フル試聴が可能だ。持ち前のサイケなムードはそのままに、アーバンな音色とフィーリングを大胆に取り入れており、テイム・インパラの大変身とも重なるオドロキの仕上がりとなっている(と書いたあとに、編集部内から〈HOUND DOGっぽい〉との声も!)。これは絶品!
ちなみに、落日飛車とフォレスツという台湾の2バンドによる来日ツアーは明日からスタート。2月19日(金)の東京・ 青山月見ル君想フを皮切りに、2月27日(土)まで、OGRE YOU ASSHOLEやKIMONOSなどの共演陣を迎えながら7公演を行う。新EPで落日飛車に惚れた方は、ライヴにも足を運ぶべし! 2011年のファースト・アルバム『Bossa Nova』も好内容なので併せてどうぞ。
続いて紹介するのは韓国のイ・ラン。来るセカンド・アルバム『神様ごっこ』の日本盤は、Sweet Dreams Pressから2016年上半期にリリース予定とのこと(詳細はこちら)。現在、収録曲“世界中の人々が私を憎みはじめた”のミュージック・ビデオが公開されている。
イ・ランはユーモラスな詩情を讃えた女性シンガー・ソングライターで、2013年のファースト・アルバム『Yon Yonson』は国内外で多くのリスナーを魅了し、来日公演も何度か行っている。韓国インディー・シーンの重要人物であるヤマガタ・トゥイークスターのライヴではバック・ダンサーを務め、さらに映画監督や漫画家としての顔も持ち併せる才女だ。ソウル・弘大(ホンデ)にある雨乃日珈琲店で収録された今回のMVで、厳かなチェロと軽妙なヴォーカルと共にハッとさせられるのが歌詞。シンプルな言葉を並べながら、日常に潜む暗部を人懐っこく表現するストーリーテリング術が彼女の真骨頂であり、字幕を読みながらじっくり味わってほしい。手作り感のあるライヴもチャーミングなので、再来日にも期待!
最後は、インドネシアのホワイト・シューズ・アンド・ザ・カップルズ・カンパニー(以下WSATCC)の待望の新曲“Suburbia”。
WSATCCは現地のインディー・シーンで屈指の人気を誇る6人組。プロダクション・デシネが2011年に日本盤リリースしたセカンド・アルバム『Album Vakansi』では、ギターポップやディスコ、ソフト・ロックにジャズまで取り込んだ洒脱なサウンドを披露して注目を集めた。久々の新曲となる“Suburbia”は、一足も二足も早く夏の終わりを告げるような極上メロウ・チューン。まだニュー・アルバムに関する情報は出ていないが、WSATCCの最新モードにも期待したくなる。華のあるバンドなので、来日公演もいつか実現してほしい!