ターバン姿が印象的なハモンドB3の名匠ロニー・スミス。ソウルジャズを牽引したキャリア初期を飾るブルー・ノートに45年ぶりの復帰というから時代の巡りは味なもの。「進化」と題された本作は一曲目でそのBNの進化的側面の最前線を張るロバート・グラスパーがフィーチャーされ、自らのソウルジャズのイメージを打ち砕くようなコンテンポラリーなアレンジに現役感が漲る。同じくBNの看板、ジョー・ロヴァーノをフック・アップした『アフロディジア』(75年)の再演に迎える粋な計らいも。圧巻はジョン・エリスのフルートがキレまくりの新曲で迎える大団円に止まらない進化を思わせる充実の内容。