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never young beachの周辺から聴こえる気持ちの良い音たち

 ここではこれまでのnever young beachにまつわるエトセトラを紹介! そもそもは安部勇磨松島皓(ギター)による宅録ユニットとしてスタートした彼ら。そこに鈴木健人阿南智史(ギター)、巽啓伍(ベース)が合流し、2015年5月には〈西海岸のはっぴいえんど〉とも謳われた初作『YASHINOKI HOUSE』を発表しているが、さらに翌月には本秀康主宰の雷音レコードより“あまり行かない喫茶店で”をシングル・カット。本が〈『HOSONO HOUSE』+バッド・フィンガー〉と例えた同曲は『若者たち』期のサニーデイ・サービス+南国ポップといった趣もあるナンバーだが、今回の新作『fam fam』ではライヴで曽我部恵一と共演した際にカヴァーしたことがきっかけで、高田渡“自転車にのって”の収録に至ったという縁も。

 そうした日本語ロック/ポップの歌心を継承しつつ、ソングライターの安部が以前よりフェイヴァリットとして挙げているのは、マック・デマルコリトル・ジョイデヴェンドラ・ヴァンハートといった、力の抜けた歌とヨレヨレのギター・サウンド、トロピカル/アシッドなフォーク・ロック……といったnever young beachとの近似性を見い出せる面々。この1年間で相当の数を行ったライヴではブーム・パムグロウラーズと共演し、6月にはデヴェンドラの来日公演のオープニング・アクトも決定。〈好きな音〉に忠実であることで、彼らは活動の場を着実に広げてきたと言えるだろう。 *土田真弓

マック・デマルコの2015年作『Another One』収録曲“Another One”
リトル・ジョイの2008年作『Little Joy』収録曲“Next Time Around”
デヴェンドラ・ヴァンハートの2013年作『Mala』収録曲“Fur Hildegard Von Bingen”