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熱帯性気候に覆われつつあるメインストリーム・ポップ! この南風はますます強まる予感ですよ!

OMI Me 4 U Ultra/Columbia/ソニー(2015)

フェリックス・イエン製の“Cheerleader”リミックスで、昨夏にトロピカル・ハウスを世界へ浸透させたジャマイカ出身のシンガー・ソングライター。〈レゲエっぽさ〉を全体に敷きながら、ゆるゆるの南国ダンス・モードで畳み掛けるこの初作の心地良さは、まだまだ今年も有効です。

 

DRAKE Views Young Money/Cash Money/Republic/ユニバーサル(2016)

爆発的なチャート・アクションを記録中の本作には、意外なほど直球のダンスホール“One Dance”や、OVO入りも噂されるポップカーン客演曲ほか、カリビアンな味付けがそこここに。この特大アイコンのシフト・チェンジは、業界全体に物凄い影響を及ぼしそう。

 

ALAINE Ten Of Hearts 1thirty1/Zojak(2015)

キャムロン作品に参加するなどNYでの下積みを経て約10年前にジャマイカへ戻り、欧米のポップスと親和性の高いレゲエを歌い続けてきた彼女は、マジック!がウケているいまこそ広く知られてほしい人。本作では寝室R&B風やナイヤビンギジュークを披露し、現代の虚ろな空気を放出してます。

 

SIZZLA 876 Judgement Yard(2016)

デイモン・ダッシュと組んでUS進出を図るも期待したほどの成果は得られず、そこからの10年間は玄人向けの渋い作品を連投してきたシズラですが、これは久々に開けた一枚に。ディアンジェロファンクや南国ハウスをルーツ視点で解釈した楽曲は、音楽シーン全体から見ても相当ユニーク!

 

R.CITY What Dreams Are Made Of Kemosabe/RCA(2015)

2000年代後半にショーン・キングストンらのヒットを裏で支えた兄弟の出世作。バーリントン・リーヴィの大ネタ使いなど、躊躇なく娯楽性を追求する姿はマジック!と重なります。同じくレゲエ由来のフロウを超ポップな音に乗せるキモサベ仲間、エリファントにも注目を!

 

JAMIE XX In Colour XL/HOSTESS(2015)

スティールパンを軸に組み立てた野外向けドリーム・ポップレゲトンっぽいバタついたリズムが格好良いヤング・サグとポップカーンの客演曲、DJロン&MCストリングスを引用したジャングル・オマージュなど、カラフルに弾けた初のソロ作。XXの持つモノクロなイメージは、ここにはありません。

 

RIHANNA Anti Westbury Road/Roc Nation/ユニバーサル(2016)

かつて〈アイランド・ガール〉の愛称でも親しまれた彼女の風向きが、南寄りに戻ってきたことは嬉しい限り。パトワっぽい訛りを用いた冒頭曲や、〈Gone Bad〉気分とダンスホールを繋いだドレイク参加曲など開放的なナンバーのおかげか、本作では未来のない愛を歌っても痛々しさが薄め。

 

JAY.KEYZ Aloha'n'Irie Presents Weekend Special ビクター(2016)

複数の人気ジャワイアン・バンドで鍵盤も担当する歌い手の日本進出作。ジャズの素養を活かしたハモンドが粋で、〈ラヴァーズ・ソウル〉なんて呼びたい楽曲群は、スラックキー・ギターも飛び出すマジック!の“No Regrets”が好きならドンピシャ。

 

ZAYN Mind Of Mine RCA/ソニー(2016)

憧れのクリス・ブラウンと共演したことも記憶に新しいゼインのソロ作は、1D時代には御法度だったセクシャルなR&B仕立て。ビーバーの背中を追ったトロピカル・ハウスやスモーキーなラヴァーズ・ロックも、主役のイメチェンに大きく貢献しています。次作はぜひメッセンジャーズと組んでほしい!