コラム

パティ・スミス親子が参加、ニコに捧げたサウンドウォーク・コレクティヴの新作『Killer Road』で展開される音楽ドラマとは?

ニコの陰鬱な音世界を蘇らせたのは……誰!?

SOUNDWALK COLLECTIVE Killer Road Bella Union(2016)

 モデル、女優、そしてシンガーとして活躍し、49歳でこの世を去ったニコことクリスタ・ペーフゲン。そんな彼女に捧げた楽曲集『Killer Road』がリリースされる。このアルバムを作ったのは、ベルリンとNYに拠点を置くサウンドアート集団のサウンドウォーク・コレクティヴと、パティ・スミスの愛娘で、作曲家/マルチ・プレイヤーとして活動中のジェシー・パリス・スミスだ。

 気になる内容は、両者がニコの未発表の詩にインスパイアされた曲を書き、それをバックにパティ・スミスが詩を朗読していくというもの。ニコも自作でよく使っていたハーモニウムの音色を織り込んだ音響空間が、アンビエントな浮遊感を漂わせながら、ミステリアスでゴシックな翳りを帯びた彼女の世界をイマジネイティヴに蘇らせる。そして、時には歌も交えて低く呟くようなパティのパフォーマンスは、まるでニコの魂が憑依しているようにも思え……。パティがニコを演じた音楽ドラマとしても楽しむことのできるこの作品は、スミス母娘らしいアーティスティックな実験精神に満ちている。

TOWER DOORS
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