デトロイトの黒くディープな煌めき
同じデトロイトのムーディーマンと比肩するミステリアスな存在感を20年以上もキープし、一昨年には久々のアルバム『American Intelligence』も届けてくれたセオ・パリッシュ。彼の主宰するサウンド・シグネチャー(SS)も新作が久々に続いている。まず注目は〈These Songs That Should've Been Out On Wax By Now〉と題された2タイトルのコンピだ。
VARIOUS ARTISTS These Songs That Should've Been Out On Wax By Now. Part One Sound Signature(2016)
VARIOUS ARTISTS These Songs That Should've Been Out On Wax By Now. Part Two Sound Signature(2016)
〈Part One〉にはアルトン・ミラーやカイル・ホールといった新旧ハウサーをはじめ、ヴェテランのモーリッサ・ローズ、セオとのコンビ作もあったギタリストのドゥミニー・ドゥポールら同郷の大物たちがズラリ。〈Part Two〉には鬼才ワジードや、SSから世に出たロンドンの期待株アンドリュー・アショング、UKのカール・マッキントッシュ、セオとのコラボ歴もあるトニー・アレン、さらにセオはアンプ・フィドラーらとのバンドでも登場していて、SSの歩みを濃縮したような雰囲気だ。
なお、そこにも参加したハンナ(ウォーレン・ハリス)も8年ぶりの新作『Bless』をSSからリリースしたばかり。セオのバックでベースも弾いていた彼らしく、コズミックでジャジーなディープ・ハウスを聴かせてくれる。