COLUMN

渡辺貞夫が東京文化会館に初降臨、齢重ねるごとに輝きと深み増す演奏を奇跡の音響で味わえる〈プラチナ・シリーズ〉開催

(C)Masaya Takagi 

 

ついに実現 奇跡の音響で味わう渡辺貞夫、円熟のジャズ

 “奇跡の音響”と称されるほどの豊かな音場を誇る東京文化会館小ホール。そこで一流アーティストによる珠玉のコンサートを楽しむという贅沢なコンセプトで展開されている一連のコンサート・プログラムが 〈プラチナ・シリーズ〉だ。その4シーズン目となる今年度のシリーズは、今年6月に行なわれて好評を博した『クラウス・フロリアン・フォークト ~スターテノールが歌う「水車屋の娘」』を皮切りに、9月の浜田理恵や10月のゴンサロ・ルバルカバ、11月のタチアナ・ヴァシリエヴァらが並ぶ豪華なラインナップとなっているが、その中でもひと際大きな期待を集めているのが、2017年2月17日にその掉尾を飾る世界的なジャズ・サックス奏者、渡辺貞夫だ。

 1951年18歳でプロデビュー。1953年、〈穐吉敏子コージー・カルテット〉への参加で一躍脚光を浴びた後に、バークリー音楽院へ留学。1965年の帰国以来、本場アメリカ仕込みのモダン・ジャズだけでなく、ブラジル音楽やアフリカ音楽、フュージョンなども積極的に導入し、常に日本のジャズ・シーンをリード。近年も、アメリカのトップ・ミュージシャンとのホットなビバップ演奏を収録した 『カム・サンデイ』や、ダイナミックなビッグバンド・サウンドを轟かすライヴ・アルバム『アイム・ウィズ・ユー』、本場ブラジルのミュージシャンをバックにしたエレガントなボサノヴァ作品『ナチュラリー』などのヴァラエティ豊かなアルバムを発表し、数多くのファンを魅了し続けている。

 そうした多岐に亘る渡辺の音楽において常に根幹を成しているのが、心に沁みるふくよかな音色と、思わず口ずさみたくなるメロディアスなソロ。ことに渡辺が2005年に現在の愛器であるセルマーのスターリングシルバー・モデルにシフトしてからのプレイは圧巻だ。ふくよかで力強い魅惑的な音色を持つ反面、鳴らすのに大量のパワーを必要とする過酷な楽器。そのスターリングシルバーを、“楽をしたら楽をしたような音にしかならない。それではオーディエンスにこちらの思いは伝わらない”という強い信念で、83歳になる今も吹き続ける渡辺。その演奏は、年を追うごとに、作品を重ねるごとに輝きと深みを増している。その渡辺が、半世紀を超える長いキャリアにおいて初めて立つ東京文化会館のステージ。聴く者を包み込むような豊かな音場を有するホールの中で、円熟の極みに達した渡辺の演奏に浸りきることのできるゴージャスなコンサート。『プラチナ・シリーズ第5回 渡辺貞夫 ~ジャズ界のスーパー・レジェンド』は必ずやスペシャルな体験になることだろう。

2007年のライヴ映像

 


LIVE INFORMATION

Music Program TOKYO/Music Festival TOKYO
プラチナ・シリーズ第5回 渡辺貞夫~ジャズ界のスーパー・レジェンド~

○2017/2/17(金) 19:00 開演
出演:渡辺貞夫(sax)、クリスチャン・サンズ(pf)、ベン・ウィリアムス(bs)、ケンドリック・スコット(drms)
曲目:当日発表
会場:東京文化会館 小ホール 
www.t-bunka.jp/

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