天才的なプレイで旋風を巻き起こしたエレクトリック・ベースのカリスマ、ジャコ・パストリアスの素顔に迫るドキュメンタリー映画
1976年、24歳で1stソロ・アルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』を発表。衝撃のデビューを飾るのとほぼ時を同じくしてフュージョンのスーパー・バンド、ウェザー・リポートへ加入。以来、1987年9月に暴漢の手によって35歳という若さで生命を絶たれるまでの10余年という僅かの期間にエレクトリック・ベースの表現力を飛躍的に拡大し、その天才的な演奏技術と天真爛漫なステージ・パフォーマンスで1970年代後半~80年代を疾風のように駆け抜けたスーパー・ベーシスト、ジャコ・パストリアス。その没後30年を間近に控えた2016年12月3日に、彼の生涯を描いたドキュメンタリー映画『JACO』が遂に劇場公開された。2015年末にアメリカで公開されるやいなや人気沸騰。アテネ国際映画祭や、フォートローダーデール国際映画祭、ダウンタウン映画祭L.A.など様々な映画祭でドキュメンタリー映画賞を受賞し話題になったが、これまで日本国内で接することができたのは英語版の輸入盤DVDでのみ。数多くのジャコ・ファンを待たせ続けた映像作品『JACO』がいよいよビッグ・スクリーンに登場だ。
製作総指揮は、ジャコの愛器だったフェンダーのフレットレス・ベース(Bass of Doom)を所蔵、世界一のジャコ研究家としても知られるメタリカのベーシスト、ロバート・トゥルージロ。そしてそのトゥルージロと共にプロデュースに携わったのが、2013年のアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞した映画『シュガーマン 奇跡に愛された男』の制作指揮を担当していたジョン・バトセックだ。本作においても『シュガーマン』同様、彼らしい多角的な描写を展開。ドラムを始めた幼少時代のエピソードからスタートする2時間弱の作品中には、ジョー・ザヴィヌルとジャコが殺気を孕んだインタープレイを交わすウェザー・リポートの演奏シーンや、マイケル・ブレッカー、パット・メセニーらと共にジョニ・ミッチェルのサポートをする伝説のサンタバーブラ・コンサート、ワード・オブ・マウス・セプテットの華やかなステージなどの貴重なライヴ・キャプションが盛り沢山。そしてそれらの豊富なライヴ映像の間を縫うようにして収められているのが、ジョー・ザヴィヌル、ウェイン・ショーター、ピーター・アースキンらウェザー・リポートのメンバーをはじめとして、ジョニ・ミッチェル、スティング、ハービー・ハンコック、カルロス・サンタナのような、ジャコと交流の深かったミュージシャンや、ジャコの伝記の作者としても知られるジャズ評論家ビル・ミルコウスキーによる、ジャコへのシンパシーに溢れたインタヴューの数々。彼らの話に耳を傾けながら音源や画像に接することによって、ジャコの音楽観と人間性、そして時代を性急に駆け抜けた彼の生涯にじっくり向き合うことができる。
映画「JACO」
監督:ポール・マルシャン&スティーヴン・キジャック
配給:株式会社パルコ
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12/3(土)新宿シネマカリテ、以降12/10(土)シネ・リーブル梅田、センチュリーシネマほか全国公開!
jaco-movie.jp