コラム

泉まくらの尽きることない創作意欲―OMSBら参加、歌と語りと朗読の挟間から何とも言えない生々しさ浮かぶ新作『雪と砂』

早くもニュー・アルバムがリリース

 昨年は9月に渾身の『アイデンティティー』を発表し、ラブリーサマーちゃん“202”への客演も話題を呼んだ泉まくら。それでも創作意欲は満たされなかったか、前作から4か月というスパンで早くも新作『雪と砂』が届けられた。

泉まくら 雪と砂 術ノ穴(2017)

 全曲を盟友nagacoに委ねた前作に対し、今回はFranz SnakeYAVGeskiaTPSOUNDCity Your City)ら楽曲ごとに異なるプロデューサーを起用。SUNNOVAによる幕開けの“BLUE”から切々と蒼いまくら節は絶好調で、ノレッジ“Allineedis”の作法でスウィッチ“All I Need Is You”をネタ使いした甘美なループも、言葉にならない思いを切なく物語る。〈永遠を願うふりをして、儚さばかり追いかける〉というフックが刺さる野崎りこんとの“愛とよべよ”、淡々とした描写で諦念を綴る“おあいそ”、OMSB作の“フィクション”と聴き進めるごとに歌と語りと朗読の境界は融和。nagacoによる“SNOW”で結ぶまで、その狭間から浮かんでくるのは何とも言えない生々しさだ。

 そんな『雪と砂』と同タイミングで、〈東京ガールズコレクション〉との企画盤『TOKYO GIRLS LIFE』も全国流通を開始。これはMONGOL800フィッシュマンズゲスの極み乙女。のカヴァーと過去の代表曲をパッケージしたもので、ファンならずとも注目しておきたいところだ。

泉まくら TOKYO GIRLS LIFE 術ノ穴(2017)

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