花粉が悩ましい鋼鉄連載〈OSHIETAL〉。今回はカリフォルニア生まれのスーサイド・サイレンスをオシエタル! 結成は2002年。そこから時間をかけて2007年に初作『The Cleansing』を発表すると、一気にデスコア界の最前線へ躍り出ることに。以降、コツコツとリリースを重ねていくのだが、2012年にフロントマンのミッチ・ラッカーが他界。バンドの存続は困難かと思われていた。しかしオール・シャル・ペリッシュエディ・ヘルミダを新メンバーに迎え、2014年作『You Can't Stop Me』で見事復活。このたび3年ぶりのニュー・アルバム『Suicide Silence』を完成させたわけだ。

SUICIDE SILENCE Suicide Silence Nuclear Blast/ワード(2017)

 前作はミッチの追悼盤だったので、今作こそ〈スーサイド第2章〉の本格的なキックオフ作品と位置付けて問題ないだろう。一聴してわかる変化は、これまでの怒りに任せた凶悪サウンドではなく、音の抜き差しやクリーン・ヴォーカルの増量によって、荘厳な美しさまで表現している点だ。デフトーンズ『Gore』を彷彿とさせるほどメジャー感のある仕上がりは、初顔合わせとなるロス・ロビンソンスリップノットコーンを手掛ける大プロデューサー)の功績もデカイはず。さあ、準備は整った。過去から脱却し、いままさにメインストリームへ飛び出そうとしているコイツらをチェックせずして、メタルをカタルべからず!