高橋幸宏とLEO今井が歌う“Exformation”、水原希子&佑果姉妹との“Brand New Emo”という冒頭のキャッチーなエレポップ2連発をはじめ、METAFIVEの面々が全編に寄与した9作目。同バンドの風通しの良い空気が本作にもシームレスに吹き込まれており、前作以上に軽やかな感触が心地良い。カイリー・ミノーグを迎えた “GBI”(97年)のリミックスはアシッドなクラブ・トラック、UAの歌唱が艶やかな“Sugar”はSP-1200 Productionsでの仕事を彷彿とさせるR&Bで、これらの楽曲における、近年は見られなかった手の広げ方にもワクワクさせられる。後半はインストが数多く飛び出すミニマルな展開を見せ、スカスカの音像で〈ポップ〉を成立させる『LUCKY』以降のアプローチを際立たせているように感じられた。とりわけ、アートワークを担う五木田智央がフリーキーなトランペットを炸裂させる“TG”が凄まじい。大胆に解放されたサウンドは、しかしどこまでもエレガント。つまりTOWA TEIにしか作り得ない逸品だ。