日本屈指のアコースティック・ギターの達人である宮野弘紀。2008年にブラジル人ギタリスト、ルーラ・ガルヴァオンとの共演盤『アダージョ』をリリース。その第二弾となったのが本作。遠い記憶を呼び覚ますような二人の美しいギターの響きが安らぎと郷愁感を誘う。アルバム・タイトルがタイトルだけに、宮野自身の、ゆったりとした曲調のオリジナル・ナンバーが並ぶ。そのうち2曲にはジョビンや坂本龍一との共演で知られるブラジル人チェロ奏者ジャキス・モレレンバウムが参加し、2ギターが紡ぎだす音空間に伸びやかで優しい音色を重ねているのも聴きどころ。優美にして耽美的。