小野島大のタイムテーブル

フェスの楽しみの半分は、実際に始まる前までにある……とは極論だが、ある意味本音でもある。準備を整え、事前に発表されたタイムテーブルをチェックして、関連の音や映像も調べて、自分なりのタイムテーブル/行動計画表を立てる時は楽しい。実は過去の〈GREENROOM FESTIVAL〉には行ったことがないので会場の雰囲気などはよくわからないのだが、そこをあれこれ想像力を逞しくして思いを巡らすのもまた良しだ。大好きなアーティスト、馴染みのあるアーティストだけをハシゴするのもいいが、それだけではフェスの醍醐味は半減である。名前だけは知っているが聴いたことのないアーティスト、全然知らないアーティスト、なんとなく食わず嫌いだったアーティスト。ぽっかりと空いた時間帯があったら、ちょっとだけでもそういうアクトを予定に入れてみることをおすすめする。

そして実際に会場に着いてみると、なかなか予定通りにはいかない。移動の導線が混んでいて、やっとお目当ての会場に着いたら入場規制で入れなかったり。まるで予定にも眼中にもなかったが、たまたま通りかかったらやっていたアーティストに耳や目を奪われ、そのまま予定を飛ばして見入ってしまったり。それもフェスの楽しみだ。

〈GREENROOM FESTIVAL〉のように、国内外のアーティストがジャンルも新旧も分け隔てなく出演するリベラルな催しの場合、なかなか見る機会のない外タレをどうしても優先することになってしまう。個人的にはマイケル・フランティは見逃せない。ビート二グス、ディスポーザブル・ヒーローズ・オブ・ヒップホップリシーのころに比べるとサウンドはすっかりポップになったが、その気骨のあるメッセージとファンキーなサウンドは健在だ。単独公演も予定されているが、フェスはまた違う盛り上がりがあるはず。西海岸サーフ・ロックのレイ・バービーも、個人的にはずいぶんご無沙汰しているので楽しみ。また2日目に予定しているイジー・ビズも、今年初頭の来日公演を見逃してしまっただけに、その伸びやかで張りのある歌声とキュートな容姿をしっかりと確認しておきたい。

日本人アーティストは若手の美味しいところをずらりと揃えているラインナップで、どういう組み合わせでもおもしろいことになりそう。音源は聴いていてもライヴを見たこともない若手が多いので楽しみである。ヴェテランでは高木完K.U.D.O.というMAJOR FORCE組が久々で嬉しい。