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ダン・ジ・オートメイターが共同プロデュースした、ヒップホップとダブを柱とするデビュー作。ヴァーチャル・バンドという仕掛けはもちろん、羽鳥美保からイブラヒム・フェレールに至る多彩なゲストと打ち出した、ブラーとはまったく異なる音楽性で世界を驚かせた。

当初、日本だけでリリースされた本作は、『Gorillaz』からの最初の3枚のシングル・カップリング曲やリミックス、MVなどをコンパイルしたもの。ここで聴ける“19-2000”のソウルチャイルドによるリミックスは、オリジナル音源よりも広く知られているヴァージョンだ。

さらに豪華なゲストを迎え、共同プロデューサーには時の人デンジャー・マウスを抜擢、USでも大ヒットを博した2作目だ。世界中で起きていた紛争やヴァイオレンスにしばしば言及。そんな歌詞とシンクロするように、ヒップホップ色を強めたサウンドもダークに転じている。

ゴミで出来た孤島を舞台とするこの3作目は、人工物と自然の境を曖昧にしたエコシステムが地球上に誕生しつつある……という仮説に根差す。クラウトロックからソウル/ファンクまでを包含するスタイルは、ゴリラズ流のボーダーレス・ポップの定義を一気に広げた。

『Plastic Beach』に伴う北米ツアー中、デーモンがiPadを用いて車窓から見える風景や耳に飛び込む音を記録するようにして作ったトラヴェローグ・アルバム。よってソロっぽい趣が強く、アナログなシンセとドラムマシーンというゴリラズの基本的な構成要素を洗い直す作品に。