Photo by Mous Lamrabat

米英欧で高い人気を誇るスウェーデンのエレクトロ・ポップ・バンド、リトル・ドラゴン。バンドとしてはもちろん、フロントに立つ日系スウェーデン人、ユキミ・ナガノの力強い歌声とカリスマ性が魅力だ。そんな彼女たちに惚れ込んでコラボレーションを求めるアーティストは多く、共演曲は数知れない。〈feat. Little Dragon〉の文字列を目にしたことのある音楽ファンは多いだろう。

そんなリトル・ドラゴンがイギリスの名門ニンジャ・チューンと電撃契約、『Lover Chanting EP』(2018年)を経て、フル・アルバム『New Me, Same Us』を発表した。これを機にMikikiは、バンドの魅力や彼女たちの〈飛翔〉の秘密を深掘りし、充実した新作の音楽性に迫った。 *Mikiki編集部

LITTLE DRAGON New Me, Same Us Ninja Tune/Beat(2020)

 

リトル・ドラゴンは〈あなたが好きなミュージシャンの好きなミュージシャン〉

リトル・ドラゴンは、リード・ヴォーカルのユキミ・ナガノの類まれなるヴォーカル・ワークと変幻自在なポップ・サウンドで、世界中のあらゆるジャンルのアーティストからコラボレーションを望まれるスウェーデンの実力派エレクトロニック・バンドであり、〈Your Favorite Musician’s Favorite Musician(あなたが好きなミュージシャンの好きなミュージシャン)〉だ。

グラミー賞最優秀ダンス/エレクトロニックアルバムにノミネートされた『Nabuma Rubberband』(2014年)を含む5枚のアルバム作品に加えて、ゴリラズ、SBTRKT、DJシャドウ、ケイトラナダ、フライング・ロータス、フルームなど人気プロデューサー陣の高評価アルバムに客演し、デ・ラ・ソウルやマック・ミラー、リトル・シムズなどのヒップホップ作品にも登場するといったパワフルなディスコグラフィーを持つバンドは、おそらく他には無いだろう。

リトル・ドラゴンをフィーチャーしたゴリラズのライブ映像。演奏しているのは2010年作『Plastic Beach』収録曲“Empire Ants”

SBTRKTの2011年の楽曲“Wildfire”。リトル・ドラゴンの客演曲のなかでも、もっとも有名な一曲

デ・ラ・ソウルの2016年作『And The Anonymous Nobody...』収録曲“Drawn”。リトル・ドラゴンとデ・ラ・ソウルはゴリラズのツアーで出会ったとユキミ・ナガノが語っている