お互いの作品やライヴで共演を重ねてきた二人が、がっちりと組んだミニ・アルバム。ざっくり言えばサンプリング・ビーツをベースにした歌モノ集だが、サウンドは緻密に練り込まれており、ビーサンのスウィートな歌とハーモニーも相まって、シルキーな肌触りのメロウ・ミュージックに磨き上げられている。ブームバップ調の“The Chase”、デニース・ウィリアムズのソウル古典を換骨奪胎したような“Daylight Avenue”、ボッサでトロピカルな“Siesta”などアレンジの切り口はさまざま。甘美なアーバン・ソウル“Horizon”にはceroの荒内佑とミツメのnakayaanを招き、“Quiet Blue”では思い出野郎Aチームのスロウ・ファンクな演奏をサンプリングするといったゲスト陣の采配も作品に奥行きを与えている。ラストに配された“A Song of Last Things”でのフォーキーなアプローチも新鮮で、これらの成果が各人の作品にフィードバックされることで、またおもしろくなりそう。次に繋がるポテンシャルも窺える充実作だ。