〈キング・オブ・ヴァイブス〉の異名を持つヴィブラフォン奏者、ロイ・エアーズがBillboard Live TOKYOに降臨する。
ロイ・エアーズは1940年、LAにて生まれた御年77歳。トロンボーン奏者である父とピアノ教師である母の間に生まれたロイは、5歳の時にジャズ・ヴィブラフォンの第一人者であるライオネル・ハンプトンからマレットをプレゼントされたことがあり、ヴィブラフォン奏者を志すきっかけになったという。
高校卒業後にプロとなり、63年にはデビュー・アルバム『West Coast Vibes』を発表。その後もソロ名義の作品をいくつかリリースしている。またジェラルド・ウィルソン・オーケストラや伝説のフルート奏者、ハービー・マンのグループに参加。ロイがヴィブラフォンのほかコンガでも参加したハービーの『Memphis Underground』(69年)は彼の生涯の大ヒット作となった。
71年にロイは自身のR&Bユニット、ユビキティを結成。『He's Coming』(72年)、『Everybody Loves The Sunshine』(76年)、『Fever』(79年)など、ソウルやファンクとジャズを融合させた作品を続々発表する。映画「コフィー」(74年)では音楽を担当し、BGMにファンクやソウルを用いた映画は〈ブラックスプロイテーション・ムービー〉と呼ばれ人気を博した。また80年にはアフロビートの帝王、フェラ・クティとの共演作『Music Of Many Colours』を発表した。
70年代後半から80年代以降のロイはプレイヤーとしてだけでなくプロデューサーとしても活躍。ロイ・エアーズ・ミュージック・プロダクションの頭文字を取ったランプ(RAMP)では女性ヴォーカルをフィーチャーし、アルバム『Come Into Knowledge』(77年)はDJの定番ネタとしても人気が高い。また80年にはレーベル〈Uno Melodic Records〉を設立。シルヴィア・ストリップリンや彼女も在籍したエイティーズ・レディースの作品などを世に送り出した。このほかホイットニー・ヒューストンの87年作『Whitney』収録曲“Love Will Save The Day”でヴィブラフォン・ソロを披露するなどプレイヤーとしても活躍している。
また90年代に入ると多くのヒップホップ・アーティストが彼の楽曲をサンプリング。代表曲“Everybody Loves The Sunshine”は多くのアーティストに使用されているほか、メアリー・J・ブライジの“My Life”(94年)は大ヒットを記録し、ロイの名を多くのリスナーに知らしめた。この他にも2004年に発表したセルフ・カヴァー作『Mahogany Vibe』ではエリカ・バドゥらをフィーチャーし、2010年にはロバート・グラスパーがロイのトリビュート・ライヴを行うなど、今もなお多くのアーティストからリスペクトされ続けている。
なお今回の来日では、現時点でバンド・メンバーは未定とのこと。今回はどのようなステージを見せてくれるのか、追加の発表が待ち遠しい。
LIVE INFORMATION
ロイ・エアーズ
2017年10月8日(日)Billboard Live TOKYO
1stステージ:開場15:30/開演16:30
2ndステージ:開場18:30/開演19:30
サービスエリア 8,900円/カジュアルエリア 7,400円
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