サプライズ的な発表となった3年ぶりのソロ作は全22曲(通常盤)。ダウナーにして陽光が差し込むような音数の少ないサウンドと浮遊系ヴォーカルが醸す幻想的なムードは前作の延長線上にあり、“LSD”~“Jukai”と続く序盤からサイケなトリップ感覚で樹海に誘い込むかのよう。フィスティカフスが多くを制作するなか、元夫のドット・ダ・ジーニアスも数曲を手掛け、一方で恋人ビッグ・ショーンを招き、彼とのTWENTY88としてブギーなダンサーも披露。愛娘ナミコとの掛け合いも微笑ましく、ブランディ、マリ・ミュージック、スウェイ・リー(レイ・シュリマー)らも主役の世界に寄り添う。カシミア・キャットらが手掛けたコラプト客演の“Never Call Me”も含めてアイコ印をダメ押しした好作だ。