前作『The Idea Of Beautiful』から実に5年ぶり、ジェイ・Z主宰のロック・ネイション契約後初となるセカンド・アルバムが9月の配信リリースより3か月を経てフィジカル化。ケンドリック・ラマー『To Pimp A Butterfly』やアンダーソン・パーク『Malibu』といった重要作における彼女のパフォーマンスがシーンにどれだけのインパクトを与えたのか、それを可視化したようなゲスト陣のラインナップが圧巻。テラス・マーティンに至ってはほぼ全曲に参加していたりと、この稀有な才能になんとかして光を当てようという周辺ミュージシャンの使命感にも似た熱意が本作の大きな魅力になっているのは間違いない。第60回グラミー賞での最優秀ラップ・アルバム部門ノミネートがひとつの転機になるか。