2002年、故ミカ・ヴァイニオを筆頭にエクスペリメンタル電子音響界の匠3名がイギリス・ニューキャッスルで一堂に介して披露された最初で最後のコラボ・ライヴが初音源化。緻密かつ繊細な手捌きで進行する本作は、ミニマルで精緻な音の運びによる無機質さだけでなく、暴力的なまでにブーストさせたベースやリズミカルな電子音によって肉感的な感触も生まれ、ラストに収録されたノイズの洪水までもが高揚感をもたらす貫禄のパフォーマンス。ライヴならではのスリリングな展開には息をつく暇もなく、張りつめた空気を保ったまま全11曲が流れていく。音響リスナーのみならず、ミニマル音楽やテクノ好きも聴くべし。