往年のUKソウル好きを躍らせたD・インフルエンスのクワメ・クワテンの息子、NK-OKを含むビートメイカー・デュオの初作。彼らのラボから生まれるのは、フォー・テットやフローティング・ポインツなど同郷の先輩たちと共鳴する繊細さや浮遊感を持ちつつも、自分たちと同じ新世代を支える土台に徹した端正なビートだ。その上でひときわ輝くのはUKジャズ界の新鋭たちで、“Pina Colada”でしなやかにプレイする女流サックス奏者のヌビア・ガルシア、“Pineapple”で硬質なダンスホール・ビートを叩くドラマーのモーゼス・ボイドをはじめ、注目株が多数参加。ロイ・エアーズさながらのヴァイブが鳴り響く“Oooo Lala”や、ルビー・フランシスが歌うフューチャー・ソウル“Say Yes”のスムースさも特筆もので、心地良いリスニング用途に適した洒脱さも際立つ。気鋭デュオが生み出すビートをパレットにして、ジャズとソウルの若き才能が各々の色を持ち寄って描いた、瑞々しい青みを湛えるUKブラックの最新図。