〈ファンクの帝王〉ジェームス・ブラウン(以下、JB)の音楽を現在に伝えるオリジナル・ジェームス・ブラウン・バンドが6月1日(金)、2日(土)にBillboard Live TOKYOにて、6月4日(月)にBillboard Live OSAKAにて来日公演を行う。JBと長きに渡って共演したメンバーを中心としたオリジナル・ジェームス・ブラウン・バンドの強じんなグルーヴを生で体験できるまたとない機会だ。本稿ではバンド・メンバーの経歴を振り返りつつ、待望の来日公演に備えようと思う。
今回来日するオリジナル・ジェームス・ブラウン・バンド(JBズ)のメンバーのリストのトップには、ダニー・レイの名前がある。オリジナル・ジェームス・ブラウン・バンドのメンバーのなかでももっとも古株のダニーは、60年からJBのバンドに参加していたという大ヴェテランである。ファンにはお馴染みのダニーであるが、簡単に説明しておくと、彼の役割は観客を盛り上げ、バンドの演奏を盛り上げ、JBをステージに呼び込むことだ。〈イッツ・スター・タイム!〉という文句が彼のトレードマークだ。御年83歳(!)のダニーの名調子が聴けるのはなかなか貴重。
ダニー・レイといえば、マント・ショーも有名だ。デビュー曲の“Please Please Please”でショーを締め括るのがJBのお約束なのだが、彼は必ずそのパフォーマンス中に膝を付いてしまう。そこへゴージャスなマントをかけにくるのがダニーの役目。ダニーが再びMCで観客を煽るうち、JBは立ち上がってマントを振り払い、再び歌いだすというのがマント・ショーだ。これはJBがずっとやっていたパフォーマンスで、例えば以下の64年のライヴでも確認できる。
現在、バンドの音楽監督を務めるトロンボーン奏者のタイロン・ジェファーソンは、76年にJBのバンドに加入している。それだけでなく、パブリック・エネミーやLLクールJとも共演経験があり、ジャズ、ヒップホップ、そしてこのオリジナル・ジェームス・ブラウン・バンドのファンクと、様々なフィールドで活動している。
ベーシストのフレッド・トーマスは、ダニー・レイに次ぐ古株。71年加入の彼は、JBの名盤『Revolution Of The Mind』(71年、アポロ・シアターでのライヴ・アルバム)、『Get On the Good Foot』(72年)、そして『The Payback』(73年)といったJB黄金期を飾る名盤の数々にも参加している。調べたところ生年はわからなかったが、ダニー同様、かなりのご高齢のはず。だが、彼が弾くベースラインは年齢と関係なくパワフルでグル―ヴィーだ。
最後に、ドラマーのトニー・クックは76年に10代でJBバンドに参加。83年、JBとBBキングが共演し、さらにマイケル・ジャクソンとプリンスも同じステージに上がった伝説の公演でも彼がドラマーを務めていた。近年はLAのヒップホップ・レーベルであるストーンズ・スロウから、彼が叩いたディスコ~ハウス・トラックのコンピレーション『Back To Reality』(2010年)がリリースされるなど、再評価著しいプレイヤーである。
生ける伝説から新世代から再評価を受けるプレイヤーまで、様々な才能が集まっているオリジナル・ジェームス・ブラウン・バンド。そのダンサブルで力強いグルーヴは、生で体験したらきっと圧倒されるだろう。亡きJBの魂を受け継ぐ彼らの演奏は、JB存命時代に勝るとも劣らないパワフルなものであるはずだ。
LIVE INFORMATION
オリジナル・ジェームス・ブラウン・バンド
featuring ダニー・レイ、フレッド・トーマス、トニー・クック、タイロン・ジェファーソン etc.
2018年6月1日(金)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 17:30/開演 19:00
2ndステージ 開場 20:45/開演 21:30
サービスエリア 9,500円/カジュアルエリア 8,500円
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2018年6月2日(土)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 15:30/開演 16:30
2ndステージ 開場 18:30/開演 19:30
サービスエリア 9,500円/カジュアルエリア 8,500円
★詳細はこちら
2018年6月4日(月) Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場 17:30/開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30/開演 21:30
サービスエリア 10,000円/カジュアルエリア 9,000円
★詳細はこちら
■メンバー
ダニー・レイ(MC、ヴォーカル)
シンシア・ムーア(ヴォーカル)
クリス・ロブ(ヴォーカル、キーボード)
タイローン・ジェファーソン(トロンボーン)
ジェフ・ワトキンス(サキソフォン)
ジョー・コリアー(トランペット)
ホリー・ファリス(トランペット)
デーモン・ウッド(ギター)
フレッド・トーマス(ベース)
トニー・クック(ドラムス)
ジョージ“スパイク”ニーリー(パーカッション)