もはやジャンルは〈くるり〉としか言いようがない12作目。岸田繁が近年身に付けたオーケストラ・アレンジが大幅に導入され、カントリーと掛け合わせた“landslide”やジャジーなAOR風の“どれくらいの”など、新しく刺激的なミクスチャーを生んだ。メロも詞も〈美しい人と風景〉を描く明るいものが多く、聴き心地は優しい。注目は岸田の歌の長足の進歩で、古き佳きUSクルーナー歌手を思わせる見事な歌いぶり。痺れます。