折坂悠太が10月3日(水)にリリースするニュー・アルバム『平成』。同作から、表題曲“平成”のミュージック・ビデオが公開された。

“平成”は、折坂のバンド編成である〈折坂悠太(合奏)〉が演奏した音源を、C.O.S.A.やCampanellaといったラッパーたちとのタッグでも知られる名古屋のプロデューサー・RAMZAが再構築したもの。フォーキーなサウンドやグルーヴをベースとする折坂にとって、これまでにないフレッシュかつ挑戦的なビートと歌との調和が聴ける楽曲となっている。

監督は、さまざまなCMのほか、寺尾紗穂やシャムキャッツ、GELLERS、GORO GOLO、Taiko Super KicksなどのMVを手掛け、音楽シーンで確かな信頼を勝ち得ている映像作家/VJの玉田伸太郎。ユニークな世界観の画作りで知られる玉田だが、空港を舞台とする“平成”のビデオは、折坂の孤独に寄り添うかのようなリアリスティックな映像となっている。

また折坂は、『平成』のリリースに合わせて全国6都市のタワーレコード(名古屋パルコ店、梅田NU茶屋町店、新宿店、福岡パルコ店、広島店、仙台パルコ店)にてインストア・ライヴを開催する。11月から始まる東名阪ツアーと共に、こちらも観逃せない。

 

以下、“平成”に関する余計な一言。

その終わりが事前にわかっている時代というのも歴史上かなり特殊だが、折坂が歌う“平成”は、まさに刻一刻と終わりに向かっている〈平成〉という時代を締め括るサウンドトラックにふさわしい、と同曲を聴きつつ感じ入ってしまう。

〈平成、疲れてた それはとても/どこにも行けず止まれずに〉という歌い出しと、どこか物寂しげで歪なビート。その言葉と音は、この30年を無力感や停滞感と共に振り返るようなフィーリングを湛えている。しかし折坂は〈幸、おれたちに 多くあれ/平成〉と歌い終えることで、この時代を疲弊感と共に生きてきた者たちを優しく抱擁するかのようだ。そのドラマティックな反転には、思わず息を呑む。

〈平成〉と大上段に構えた楽曲・アルバムで、折坂はアクチュアルな歌手として〈いま〉と対峙しながら、時代を象徴するメルクマールを打ち立てた――少なくとも筆者はこう感じている。『平成』が2018年を、いや平成30年をリプリゼントするものとして後年振り返られるのは、もはや約束されたこと……なんて大それたことも言いたくなってしまう。それほど力強い歌や言葉がここにはある。

以上、“平成”に関する余計な一言でした。

 


Live Information
〈折坂悠太「平成」発売記念インストア・イヴェント〉
10月25日(木) 20:00〜 TOWER RECORDS 梅田NU茶屋町店(6F イヴェント・スペース)
10月27日(土) 15:00〜 TOWER RECORDS 名古屋パルコ店
11月2日(金) 21:00〜 TOWER RECORDS 新宿店(7F イヴェント・スペース)
11月4日(日) 12:00〜 TOWER RECORDS 福岡パルコ店
11月4日(日) 18:00〜 TOWER RECORDS 広島店
11月16日(金) 19:00〜 TOWER RECORDS 仙台パルコ店

全国6か所の上記店舗にて観覧フリーの弾き語りライヴとサイン会を行います。対象店舗にて折坂悠太『平成』(ORSK-005)をご購入いただいたお客様に先着でサイン会参加券を配布致します(ご予約者優先)。イヴェント当日に参加券をお持ちのお客様は、ライヴ終了後のサイン会にご参加いただけます。サインは商品にいたしますので、忘れずにお持ち下さい。

〈平成 Release Tour〉
11月22日(木) 愛知・名古屋 Live & Lounge Vio
開場/開演:18:30/19:30
前売り:3,000円(ドリンク代別)
お問い合わせ:052-936-6041(JAIL HOUSE)

11月24日(土) 大阪・心斎橋 CONPASS
開場/開演:18:00/19:00
前売り:3,000円(ドリンク代別)
お問い合わせ:06-6535-5569(SMASH WEST)

12月2日(日) 東京・渋谷 WWW
開場/開演:18:00/19:00
前売り:3,300円(ドリンク代別)
お問い合わせ:03-3444-6751(SMASH)
※各公演ワンマン、特別ゲストあり

一般販売
9月1日(土)~
名古屋公演:ぴあ(P:126-568)/ローソン(L:42980)
大阪公演:ぴあ(P:125-915)/ローソン(L:55628)
東京公演:ぴあ(P:125-936)/ローソン(L:71310)