デビュー25周年に合わせて登場した前作では、原点回帰をテーマに力強いロックンロールを披露していましたが、4年ぶりとなる今作に若作り感は希薄。独身の中年男性が旅に出る様子を描いたアコースティック・ポップや、ジョニー・キャッシュとの思い出を回想する美スロウ、もともとは別の曲のために提供されたというマイケル・ジャクソンのコーラスを用いたスムースなファンク・ナンバーなど、堂々と老いを受け入れていまを全力で生きようとする姿に、これまでとは違う色気を感じます。波の音とカリンバに合わせて〈I'll Always Be Inside Your Soul〉と優しく歌い、本編を締める構成も完璧。ずっとファンでいて良かった~と思うと同時に、今後も彼を追い続けようと決心させてくれる一枚。