(左から)小川慶太、中村恭士、大林武司、馬場智章、黒田卓也

全曲メンバーが書き下ろした新曲で臨むセカンド・アルバム

 ニューヨークで活躍する日本人ジャズ・ミュージシャンによるJ-Squadの黒田卓也(トランペット)と馬場智章(テナー・サックス)に話を訊いた。前作『J-Squad』が出た2016年は、ちょうど黒田のソロ『ジグザガー』がリリースされた年であり、馬場がニューヨークに渡った年でもある。

 「それぞれ忙しくて殆ど集まれないんで、『J-Squad』は如何に短時間で仕上げるかが勝負でした。プロダクションやアレンジに時間もかけられないので、個人の演奏能力、作曲能力に頼る形でしたね。往年のジャズの録音スタイルだと思います」(黒田)

 結果、『J-Squad』はストレートにジャズを演奏するアルバムに仕上がった。それに対して『J-Squad II』はかなり楽曲のヴァリエーションが豊富だ。

J-Squad 『J-Squad II』 ユニバーサル(2018)

 「前はTV番組のテーマ・ソングありきだったので、似た感じの曲でまとまってもいたんですが、今回はそれぞれがやりたい曲を持ち寄って作ったんです」(馬場)

 黒田は現在自分の新しいソロの制作を進めている。『ジグザガー』では参加したプレイヤーの解釈に委ねず、デモの再現を徹底させて制作した。

 「そこから、いまは自分だけでどこまでできるかをやっているんです。スネアを自分で叩いたり。エンジニアと二人だけで一日過ごしてます。自分でどこまで出来るか、挑戦したいんです」(黒田)

 『ジグザガー』の時は参加ミュージシャンがデモをリクリエイトしてライヴ感を生んでいたが、より自分のプロデュースを徹底させたいようだ。

 「バンドで作り込んでからツアーに出て、そしてスタジオに入る時にはもう出来上がっている。それが昔のジャズですけど、いまはマーケットのせいで全部逆になって、アルバムがまずないとツアーに行けない。スタジオで録音してからツアーに出るので、ツアー終わる頃には内容も変わっているんです」(黒田)

 ツアーが終わった時にバンドが一番良い状態になる、その状況に抗うために、まず自分の納得のいくものを最初に作る。それが自分一人で制作することに拘った理由なのだという。J-Squadはそれとは対照的に作られたが、その良さももちろんある。

 「J-Squadではそれぞれの違いを分かった上で自分たちで解釈してベストを出す、ある意味訓練の場所でもあるんです。うまくいっていたり、いかなかったり、そこも含めてJ-Squadだと思うし、楽しんでもらえるところだとも思うんです」(黒田)

 「今回はみんなの良さを引き出すように自分は作曲しました。誰にでもできる曲じゃなく、このメンバーでやるからこそなので、そこをぜひ聴いてほしいです」(馬場)

 


LIVE INFORMATION
“J-SquadⅡ” Release Tour 2018
2018年11/29 (木)札幌 Zepp Sapporo
2018年11月30日(金)Billboard Live OSAKA
2018年12月1日(土)名古屋 ウインクあいち 大ホール
2018年12月2日(日)仙台 LIVE DOME Star Dust
2018年12月3日(月)福島・いわき club SONIC iwaki
2018年12月5日(水)東京 ブルーノート東京
2018年12月6日(木)長野 バックドロップ
2018年12月7日(金)群馬 高崎シティギャラリー コアホール
2018年12月8日(土)茨城・ひたちなか BRICKS HALL
2018年12月9日(日)広島 広島国際会議場 フェニックスホール
2018年12月11日(火)岡山 Cafe SOHO
2018年12月13日(木)佐賀 LIVEHOUSE SAGA RAG-GL
2018年12月14日(金)佐世保 アルカスSASEBO イベントホール
2018年12月15日(土)熊本 Navaro
2018年12月16日(日)福岡 ROOMS
https://www.universal-music.co.jp/j-squad/