セシル・テイラー、そしてこのキース・ジャレット。この二人がジャズにピアノ・ソロという領域を造り上げた、といったら言い過ぎか。セシルはクラスターに、キースはオスティナートに、ブルース、アフリカを感じ続けていた。モントゥーノのようなユニゾンが現れるセシルに対して、あくまでポリフォニックなアプローチを優先させるキース。ヴードゥー教的とキリスト教的空間が対置されて、この二人のいたドメインがジャズだと喚起される。ポール・ブレイの洗礼を受けたキースには、シンプルなメロディへの執着が残り、モンクの洗礼を受けたセシルにはクラスターへの執着が残った。