何かをやり続けていたら過去の人扱いされたりモダンな存在に返り咲いたり、の最たる例かもしれない御大の新作がついに登場。キラキラした瞬間だけを凝縮したカクテル・ディスコに、〈Boogie〉や〈Party〉や〈Dance〉など衒いのない言葉が曲名に躍り、正確無比なカッティングが鳴り続ける様は往時のセルフ・パロディーのようでもある。“Sober”のハネるビートに対しては、ニュー・ジャック・スウィング全盛期がシック空白期に重なることを顧みて溜飲を下げる古参ファンもいるはず。もっともナイルは89年にダイアナ・ロスへNJS曲を提供していたり、そもそも26年前の前作『Chic-ism』にも本作と通じるどころか遜色ない魅力があったり。音楽の評価が時流によって上下する事実を思うと、この表題も意味深に感じます。