あまりにロマンティックなクラシック音楽の物語! 巨匠: 松本零士とクラシックの二大協奏が登場
今年2018年に生誕80年を迎える松本零士という漫画家は「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」「キャプテン・ハーロック」等の名作から「大宇宙」「SF」「ロマン」という言葉やイメージが先行しがちだが、ここに連なる言葉として「クラシック音楽」が入る。大のクラシック音楽愛好家としても知られる松本零士氏と、そのクラシック音楽との協奏がこの度2つの作品となって登場する。
一つは創立120周年を迎えるドイツ・グラモフォンとタッグを組んだ「松本零士セレクション/カラヤン ベスト・オブ・ベスト」である。松本零士氏が選曲した至極の10曲のカラヤンの名演。《ツァラトゥストラはかく語りき》を皮切りに《タンホイザー》序曲や《英雄》《悲愴》等、楽壇の帝王屈指の名演を収録。並べられたプログラムを見るだけでも氏の世界観が垣間見れるが、それをカラヤンの名演で堪能できるというのが筆舌に尽くし難い。またジャケットには1979年に刊行された《不滅のアレグレット》掲載「HERBERT VON KARAJAN」イラストを起用。クラシックとポップ・カルチャーとの融合を謳う決定盤の誕生だ。
そしてもう一つが同日に小学館より刊行される前述の《不滅のアレグレット》完全版。「FMレコパル」で連載され作曲家や名指揮者・名演奏者を題材とした短編集で1979年に12編を収録し単行本化されたが、今回はその時未収録だった9作品を含め復刻される。インタヴューやディスクガイドも充実しており松本零士とクラシック音楽との交わりをじっくり感じられるが、何より彼らしいあまりにロマンティックなストーリーが目も耳も心を揺さぶる。また作品内で言及される楽曲を収録したCDも付属。こちらにはフルトヴェングラー指揮「不滅のアレグレット」ことベートーヴェン:交響曲第7番第2楽章も含まれる。
両者を併せて巨匠:松本零士が描くクラシックの世界に没入してもらいたい。目と耳、漫画とクラシック、これぞ至福の“音楽”体験。