最新の海外リマスター音源より発売~SACDシングル・レイヤー2イン1!
SACDは1999年に次世代CDとして発表された高音質ディスクで、近年のハイレゾブームにより発表時以来の注目を集め、リリースも増えているのはご承知の通りである。とくにステレオLP時代のアナログ優秀録音をデジタル化する際には、音質的にCDよりも圧倒的優位にあり、過去の名盤の音源を多数保有する各社がSACD化を競っている状況となっている。
旧EMIの豊富なクラシック音源を所有するワーナーミュージックは、この度、SACDの大容量を活かして、LP時代の2枚分の音源を1枚に収録した「SACDシングル・レイヤー2イン1」シリーズを開始し、ファンの注目を集めている。SACDの最大収録時間は約109分 (可逆圧縮の技術を使えば約4時間!)だが、CD層を貼り合わせたSACDハイブリッド盤では、CDの最大収録時間の約80分に合わせるため、長尺のメリットが隠れていた。SACDの約109分という収録時間が、往年のLPの2枚分を収めるのに、まさにぴったりの長さなのである。
7月25日発売予定のカラヤン指揮の3点ではチャイコフスキーとドヴォルザークの交響曲LP4枚分、約176分をSACD2枚に、シベリウスの交響曲第5番と管弦楽曲集LP2枚分約88分、及び名ピアニスト、ワイセンベルクと共演したピアノ協奏曲LP2枚分約94分をSACD1枚に収めている。価格は1枚物が税抜4,300円、2枚物が6,400円だから、収録時間をCDの1枚あたりに換算すると、レギュラー盤並みの価格で、高品位なハイレゾ音源を楽しめる訳である!
8月29日にはミュンシュ指揮パリ管弦楽団による1968年初発売の2大名盤、ベルリオーズの幻想とブラームスの第1が遂に1枚に収まる。これなど大ヒット間違いなし! プレヴィン指揮のバレエ《くるみ割り人形》全曲が1枚に収まるのは、実用としても喜ばれるだろう。8月と9月に連続リリースされる夭折の名チェリスト、デュ・プレの2枚、9月の20世紀の大指揮者クレンペラーとセルの2枚、何れも爆発的な人気を呼びそうである。