ドイツ・グラモフォンが創立されてから120周年。長き年月の間、私達の心を揺さぶる演奏が誕生し、そして未来永劫聴き継がれている。謂わばそれは、命のバトンと一緒である。その節目の年に奏でられた小澤征爾とアンネ=ゾフィー・ムター、サイトウ・キネン・オーケストラによるサン=サーンスの《序奏とロンド・カプリチオーソ》は、DGの音楽史に永遠に刻み込まれた瞬間でもあった。多くの名演を奏でてきた名手だからこそ生まれた約10分間の世界は、まさに夢見心地。そして、音楽だけでなく本アルバムのライナーノート掲載の2000字に及ぶ村上春樹の賛辞にも注目。