今年9月に87歳を迎える小澤征爾氏と兄弟の対話集。故人となった長男以外の3人が集まって2017年に語り合いの機会を計画し、計9回分他が収録されている。元々は征爾氏を中心とした家族の記録として残したかったとのことで、親たちの思い、親たちへの彼らの思いも込めて語られたざっくばらんな会話は、家族以外なかなか聞けない内容のため貴重だ。終始和やかな中で進められる会話の中に、征爾氏含め小澤家がとても近しく感じられて心地よい。所々、印象にある音楽家との思い出や、仲の良い有名ピアニストの人柄を感じさせる場面もあり、微笑えましい。