1967年に小澤征爾がトロント交響楽団と録音したトゥーランガリラ交響曲がSACDで復刻した。これは日本におけるメシアン受容史の中でも、最も重要な音源の一つで、同時発売の武満徹の“ノヴェンバー・ステップス”(SICC-10481)と併せて、国内初出時のカップリングを再現する形となっている。本盤は今聴いても非常に鮮烈だ。特に終曲は多くの録音が出揃った今日からすればややスローテンポであるがその分、一音一音が荒々しくぶつかり合い、スプラッシュ・シンバルは流星のようなトレモロを浴びせかけ楽曲を終末へと導いていく。荒々しさと美しさとが同居した実に爽快感に満ちた一枚だ。